人形師「柿沼東光」

住宅事情の影響もあり、昨今は7段飾りよりも3段飾りや、殿・姫のみの親王飾り
とよばれる飾りが多くなってきています。特に収納面で制約があるお宅では、
コンパクトな【木目込み人形】を選ばれる方が多く見受けられます。

木目込み人形作家もいろいろで、その特徴も様々ですが、本日のブログは、
当店でも人気の高い人形師【柿沼東光】の木目込み人形をご紹介します。

師の略歴等はコチラをご参照ということで、今回は人形そのものの特徴をご紹介。

まずはコチラを…
ごく一般的な木目込み人形の後ろ姿でございます。
2010 1 14B

そしてコチラが東光の木目込み人形。
2010 1 14A

違いがわかりますか?
東光の人形はボディが左右対称ではなく、裾に動きを持たせた左右非対称の造形です。

実際木目込み人形を趣味で作ったことがある方ならおわかりだと思いますが、
カーブ(曲線)が多いと、衣装を木目込ませていくコトが難しいんですよね。
なぜならカーブ部分というのは、注意しないと生地が浮きやすいから…。

そしてこの東光の人形衣装の柄…なんと刺繍です!!(厳密にいえば相楽刺繍)
実際、刺繍モノの生地を使った木目込み人形ってあまり見たことがないのでは?
なぜなら生地に凹凸のあるモノは、これまた木目込ませていくのが大変で、
高い技術が必要だからです。

曲線の造形の中に、くせのある生地を着せ付ける。
それを簡単そうにサラッと人形に落とし込むセンス…最高ですっ!!


伝統的工芸品でなおかつ伝産シールのついた人形は技術、センスともに高水準。
下図は「蘇州手刺繍」の衣装による木目込み人形の後ろ姿。


衣装着ひな人形に負けない存在感を漂わせます。手間のかけかたも半端なく
製造総数も限られているため、価格もそれ相当になりますが…満足度が違います。
2010 1 14c[1]

※他の人形にもいえることですが、ぜひとも人形の後ろ姿をチェックしてみて下さい、
正面から見えない部分にこそ、作り手のこだわりが色濃く反映している場合が多いので。


いかがでしたか?鯉徳ではさまざまな種類の東光作品をお取り扱いしております。
一歩先行くセンスと技術を持ち合わせた、柿沼東光の木目込み人形を
ぜひご堪能下さいませ。

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