コレクション:

いせ辰 犬張子


菊寿堂 いせ辰は、錦絵などの版元だった江戸"伊勢惣"から独立した広瀬辰五郎氏(初代辰五郎)により、千代紙・おもちゃ絵の版元として1864年、東京神田に創業。


絵師、彫り師、摺り師という三職人の手を経て完成する"江戸千代紙"は、おみやげとして日本全土に広く伝わりましたが、二代目辰五郎の頃からは文明開化の波に乗り、海を渡り欧州に輸出するまでになりました。

三代目辰五郎の時代には江戸千代紙制作の手法をアレンジし、日本の名所を手摺りにしたナプキンなどを輸出し大いに発展。(その影響からか近年、ゴッホ作"ダンギー爺さん(Le Père Tanguy)"という題名の絵画の中にいせ辰が制作したナプキンの図柄が描かれていたことが発見され話題となりました。)

しかし関東大震災や戦争により、仕事の要となる多くの版木を消失。存続の危機に直面したものの、四代目辰五郎や職人たちの地道な努力により千代紙版木を復活させました。また、震災が起こっても影響のないよう地盤の強い上野 谷中に店舗を構えたのもこの頃だそう。


長きに渡る歴史とともに、伝統文化と技術を発信し支え続けてきたいせ辰。江戸千代紙はもちろん、伝統製法で作られる"江戸犬張子"などの温かくて粋、そして現代の生活の中でも愛される製品を今もなお伝え続けています。



いせ辰ロゴ

菊寿堂 いせ辰

江戸末期の1864年、千代紙・おもちゃ絵の版元として東京神田で創業。色鮮やかな手摺りの"江戸千代紙"や、伝統製法で作り出される"江戸犬張子"など、伝統を受け継ぎながらも現代の生活の中で愛される粋な製品を今に伝えています。