羽子板 / 二風谷イタ アイヌ文様A-13 / 桂材
北海道で唯一、経済産業大臣が指定した伝統的工芸品 "二風谷イタ"ならびに"二風谷アットゥシ"の技法を取り入れ制作した羽子板です。
一線一線手彫で描いたアイヌ文様は、二風谷イタの制作技法を取り入れました。力強さと繊細さが同居した至高の逸品です。材質は平取町の"町の木"にも指定される桂(カツラ)の木で、耐久性を高めるために3年間乾燥させたものを使用。表面にはミツバチの巣から抽出した自然素材の"蜜蝋仕上げ"をほどこしました。皮膜をつくり、適度なツヤと防腐の作用を発揮してくれます。
二風谷イタ
二風谷イタとはアイヌ文化発祥の地である北海道沙流郡平取町で古くから制作されてきたアイヌの人々が使う木製のお盆のこと。その独特な文様には"身体の中に侵入しようとする悪い霊から身を守る"との意味がこめられており、そのなかで代表的なモチーフとして4つのノカ(=形)が特徴としてあげられます。
アイウシノカ(トゲのある形)
二風谷イタは、これらの伝統的なモチーフに、受け継がれてきた歴史と作家の個性が組み合わされて生まれます。
羽子板の手持ち部分には二風谷アットゥシを使用。またアクセントとして革紐を巻いています。
二風谷アットゥシ
二風谷アットゥシとはアイヌの人々が使う反物のこと。冬場に氷点下20℃以下まで冷え込む厳しい環境を生き抜くためにアイヌ人が考え出した反物で、オヒョウ等の樹皮の内皮から作った糸を用いて機織してつくられます。樹皮のみが原料の織物は世界的にも珍しい存在です。
1.オヒョウの樹皮を煮て水に浸し、天日干しする
2.内皮を細く裂いたものを撚って糸にしていく
3.織る
4.完成
二風谷アットゥシは特に糸に撚りをかけることが特徴と言われています。水に強く通気性に優れ、天然繊維としては類希な強靱さと独特な風合いがあり、着物や半纏、帯等に使用されます。百年以上前に使用されていた道具とほぼ同様の道具で現在も作られています。
作家紹介
貝澤 守(かいざわまもる)
幼少時代より木彫職人であった父・守幸の彫刻を見て育つ。21歳から工芸作品を作り続け、アイヌ工芸の伝承に努めながら独自の作品づくりに力を注いでいる。特に"ラムラムノカ(ウロコ模様)"は、ノミを木に対して鋭角に入れることで陰影を出す、繊細で美しい彫り込みが特徴的。2010年に国土緑化推進機構のコンクール"森の伝承・文化部門"で"森の名手・名人"に全国で80人、道内ではただ一人選ばれたアイヌ伝統工芸作家である。
貝澤 雪子(かいざわゆきこ)
アットゥシ織を半世紀以上にわたり手がけている熟達者。アットゥシの染色にはキハダの樹皮やアカネ、クルミなど自然の花々や草木を用いている。染色糸はごわつき織りづらいが「難しい方がやりがいがある」とつねに挑戦を怠らない。織れば織るほどより良いものを作りたくなり、"死ぬまで勉強"が彼女の口癖となっている。2011年には北海道アイヌ協会より"優秀工芸師"として認定されており受賞歴も多数。アイヌ文化の伝承・保存、後継者の育成にも尽力している。
"台付き"の飾り。木製の組み立て式です(ネジで一か所とめるだけ)。
羽子板本体との配色にもこだわり制作しました。※飾り台は二風谷産ではありません。
年を追うごとに変化していく木地の風合いも魅力のひとつ。お子さまの成長とともにどうぞ二風谷アイヌの伝統工芸品で末永くお正月飾りをお楽しみください。
ご注意
■本製品は、天然木使用のため、多少の傷や、木目生地・色合い等が多少異なる場合があります。
■本製品は、摩擦する部分・湿度の高い箇所への使用はお避け下さい。
商品詳細
作者・工房 | 二風谷民芸組合(貝澤守・貝澤雪子) |
生産地 | 北海道 |
サイズ | ■飾り台有:間口16.5 × 奥行15 × 高さ42 cm ■飾り台無:間口13 × 奥行 2 × 高さ39.5 cm |
本体仕様 | ■板:木製(桂) ■飾り台:木製組立式 |
注意事項 | ■手作りのためサイズや形状、色合いが各々多少異なります。 ■ご使用のモニターにより、実際の色と異なって見える場合がございます。 |
作者・工房について