雛人形 / 清水久遊 / 十番 正絹帯地
段飾りに勝るとも劣らない存在感と美しさ
古来よりニッポンの祝事において特別な意味をなす伝統的な色、赤と白。日本人の心に深く染みるこの二色中心で構成された、モダンで存在感のある親王飾り。清水久遊作 "正絹帯地"のご紹介です。
上品で優美な造形美
久遊がつくる雛人形の特徴として、360度どこから眺めても美しく感じられるよう計算されてつくりあげた"造形美"があげられます。とくに女雛においては本物の雰囲気にできる限り近づけることを狙い、正面からは見えない十二単(じゅうにひとえ)の後ろ姿にまで手間暇かけた着付けを行っています。現在ではさまざまな作り手がこのシルエットを採用していますが、これは工房創業当初(約40年前)に考案したひいな独自のスタイルです。
女性の感性が生みだす色彩美
次に女雛の袖・襟元・裾の衣装(十二単)で生地の重なりあっている箇所にご注目下さい。着せ付ける工程において、一枚ずつ色と大きさの異なる生地(上着や五衣)を絶妙な間隔でずらしながら重ねあわせることで、奥行きのある色彩表現(かさね色目)を取り入れています。
かさね色目には小町と名づけられた配色を取り入れました。オレンジグラデーションのかさね色目で唐衣(十二単の一番上の衣装)の菊柄と調和を図る演出が心憎いです。
またその色彩をより一層美しくみせるため、全体的にボリュームを抑えたシルエットに十二単を着付けているのもまた久遊作品の特徴の一つといってよいでしょう。
衣装へのこだわり
衣装には正絹唐織(※1)の高級帯地を贅沢に使用。帯地に彩られる柄は比較的大きめなものが多く、近頃増えているコンパクトな人形に使用した場合、その魅力は半減してしまいます。また、柄をどこにどう使うかが作りてのセンスと技術が求められるところ。本品は男雛・女雛ともに大胆な菊柄を余すところなく袖口に配置しています。
(※1)唐織 / からおり
色糸に金銀を交えて絵文様を織り出した豪華な高級織物。色糸を浮かして織るので、絵文様があたかも刺繍であるかのごとく立体的になるのが特徴です。本来この生地は実際に女性が着用する正絹の高級帯でしたが、それを惜しげもなく裁断し、人形用に誂えた贅沢な仕上がりとなっています。
お顔だち
凛とした美しさが感じられるお顔だち。男雛女雛ともにお歯黒をほどこし、女雛の髪には縁起物の紅白梅が丁寧に描かれた天然木のツゲ櫛が付属しています。
人形収納用 桐箱
お人形本体の収納には、清水久遊のロゴマークが入った純正の桐箱を採用。防湿・防虫効果の高い桐箱が大切にお人形をお守りします。 ※制作時期によりロゴデザイン仕様が変更となる場合もございます。
主張しすぎず主張して、主役をより美しく
人形をより美しく際立たせるために存在する周辺のお道具類。なかでも屏風や飾台は、全体のイメージを左右するほど重要な役割を担っています。
「主役の存在感を損なわずして、より魅力的な空間を演出するためのものづくりを」
そんなテーマと向き合いながら、職人は日々絵柄の構図や配色、そして質感に至るまで試行錯誤を繰り返し、卓越した技術をもって美しい製品をつくり続けています。
人形本体に注目が集まるよう限りなくシンプルな構成。とはいえこだわりは随所に光ります。
赤色の屏風は和紙の質感を残した温もりのあるたたずまい。清らかな白との調和が抜群ゆえに、白い衣裳の人形を引き立て、圧倒的な存在感を放つ役割を担っています。
木製飾台は1500年の歴史を誇る"越前塗"仕上げ。木地に布を貼りその上から塗りをほどこしているのは、たんにデザイン的な美しさだけを求めているのではなく、傷が目立ちにくいという実用性までをも考えられています。さりげなく入った"清水久遊(ひいな)特製ロゴ"もこだわり派の方には嬉しいポイントです。
照明器具は電池式のLEDコードレスあんどん。本体には"ワーロン紙"を使用。和紙よりも強度があり、破れたり折れたりしにくい素材となっています。
引き継がれていく思い出と感性
量産品とは一線を画す清水久遊の雛人形。毎年一緒に飾るたび、大人でもその佇まいの美しさに息を飲むことでしょう。そんな上質なる逸品は、お子さまが健やかに成長し大人になっても飾り続けたいと思える特別な存在になるはずです。
末永くご家族みんなが笑顔になれる、そんな素敵なひなまつりをぜひ本品とともにお楽しみ下さい。
商品詳細
作者・工房 | 清水久遊 |
生産地 | 愛知 |
サイズ | 間口100 × 奥行50 × 高さ36 cm |
人形 | 十番サイズ 正絹 帯地唐織 木手 |
屏風 | 四曲和紙屏風(赤) |
飾台 | 越前塗布目木製平台(ひいなロゴ入り) |
道具 | ― |
花類 | ― |
雪洞 | LEDコードレスあんどん(ワーロン紙仕様) |
付属品 | ■お手入れセット(毛バタキ・手袋・クロス・防虫剤) ■作者立札 ■人形収納用桐箱 |
注意事項 | ■手作りのためサイズや形状、色合いが各々多少異なります。 ■ご使用のモニターにより、実際の色と異なって見える場合がございます。 |
作者・工房について