五月人形 奉納鎧 / 鈴甲子雄山 / 星月夜 1/5
名画の色彩 "星月夜"
世界的名画の色彩に由来した "アートを愛する大人たち" までもが楽しめる"名画の色彩シリーズ"。
第1弾はゴッホの名作" 星月夜"。4代続く名門甲冑工房 鈴甲子雄山がその世界観を五月人形に落とし込みました。
ゴッホ『星月夜』
ポスト印象派の画家、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)による名作 "星月夜"。巧みな色彩表現と浮世絵の影響を感じさせる構図により描かれた、 想像上の風景画といわれています。"ひまわり"とならび、日本でも人気の高いこの作品はニューヨーク近代美術館(MOMA)の永久コレクションとして所蔵されています。
全体のバランス
▲ 唐櫃は鎧の台座、収納箱として使用します。
鎧の美しさをもっとも左右するのがそのプロポーション。異なるサイズの鎧でも部品を変えずに制作する工房が存在する一方、鈴甲子雄山は作る鎧の大きさにあわせて専用の部品を作成します。そのため完成時に不自然な箇所がなく、全体的にバランスのとれたプロポーションに仕上がっています
モデルとなっているのは奉納鎧。上級武士らが自らの願いを叶えたいとき(叶ったとき)、神に祈りや感謝をこめて神社に奉納することを目的とした鎧です。人肌に密着するような面あて・臑あて・毛ぐつ・および下着に類似するものは一切付属していません。そのため鎧が本来持っている重圧感や威圧感が全く感じられない独特なスタイルになっています。
男児の健やかなる成長を祈願する「端午の節句」に甲冑を飾るのは、神社に奉納したしきたりにも由来しているため、節句飾りとして飾るにふさわしい形状とも言われます。
兜の特徴
金色に輝く魅力的な「鍬形(くわがた)」は、丁寧に下地を磨き上げた真鍮製の純金メッキ仕上げ。
兜両脇の吹返(ふきかえし)とよばれる部分には "枝菊文様" を描いた鹿革を使用しています。
頭を包み込む鉢(はち)の部分。成形品ではなく、複数の金属板をそれぞれ鋲でとめて成形する"矧(はぎ)合わせ鉢"とよばれる実物同様の制作技法を用いて仕上げています。
▲ 矧合わせ鉢のパーツ。溶かした金属や樹脂を型に流し込んで成形する鋳物とは異なり、無数の異なるパーツを組み合わせ、実物同様の手法で作られる矧合わせ鉢。鋳物より軽量だが耐久性があり、見た目の美しさも別格です。
胴体の特徴
胴体部の「弦走(つるばしり)」にも、兜吹返し部分同様、枝菊文様が染め付けられた鹿革を使用しています。
見えない後ろ姿にも妥協なし
背中には心臓を守るための"逆板(さかいた)"が取り付けられ、その中心には"揚巻結び(あげまきむすび)の紐"を装着。紐は左右に広がり両袖に接続させています。正面からは見えない背面であるにも関わらず細部を簡略化せず、どこから見ても美しく実物に忠実であることにこだわり製作しています。
本品最大の特徴
絵画に見られる紺・青・白・グレー4色をベースとした配色で制作。星や月が描かれた黄色は、絵画同様アクセントカラーとして採用し全体を引き締めています。
また、使われている正絹の威糸は細く、それを通していく穴の間隔もわずか。一本一本の威糸が密に整然と並ぶ姿からは、職人の丁寧な仕事ぶりのみならず、作品に込められた熱意までもが十分感じとれるはずです。
絵画内の夜空にみられる "うねった筆使い" を、日本画にみられる "和雲" を用いて表現する鈴甲子雄山のアイデアは、ニッポンの伝統工芸士ならではの高度な遊び心ともいえるでしょう。※真鍮製純金メッキの金物細工となっています。
ご家族の想いを裏切ることのないよう、末長く飾ってもらえるようにと知恵を絞り、素材を吟味し、細部に至るまで技を磨き作り上げられる職人の品。「神は細部に宿る」のクラフトマン精神を礎にした手仕事の温もりが感じられることでしょう。
主役を支え彩る名脇役
人形をより美しく際立たせるために存在する周辺のお道具類。なかでも屏風や飾台は、全体のイメージを左右するほど重要な役割を担っています。
「主役の存在感を損なわずして、より魅力的な空間を演出するためのものづくりを」
そんなテーマと向き合いながら、職人は日々絵柄の構図や配色、そして質感に至るまで試行錯誤を繰り返し、卓越した技術をもって美しい製品をつくり続けています。
絵画の世界観を損なわぬよう、トーンを落とした空間演出を心がけました。表情のあるグレーの和紙屏風が夜の雰囲気を漂わせます。
また屏風の開閉部分には金具の丁番を一切使わず、和紙でできた"羽根"とよばれる和紙丁番を使用する、いわば職人の伝統技術でつくる制作工程(本仕立)にこだわりました。
開閉部に切込が入っていて、両面に開く仕組みが特徴です。継ぎ目に隙間ができないので、見た目にもすっきりとした印象となります。華美な装飾を排し、素材の質感と色彩のみで構成されたシンプルモダンな台屏風。節句人形職人ユニット 縫nui"の一員としても活躍する木工師兼デザイナー、畑口ツトム氏が制作を担当しています。
子どもたちが物事に興味や関心をしめす最初のきっかけは、親の感受性によるところが少なくありません。親が楽しみ心惹かれるものには、子どもたちも同じ嗜好を引き継いでいくものです。大人目線の鑑賞で美しいと感じられる人形は、お子さまも同じように楽しみ、いつまでも飾っていたいと思うのではないでしょうか。
世界基準の色彩美とニッポンの職人技を融合させた節句人形で、心に残る思い出と、瞳に映る鮮やかな彩りをお楽しみください。
音楽で感じる星月夜。プレイリストつくりました♪
※Spotifyはインターネットを使った音楽ストリーミングサービスです。アプリのダウンロードは無料。PCやタブレットやスマホから利用できます。
商品詳細
作者・工房 | 鈴甲子雄山(すずきねゆうざん) |
生産地 | 千葉 |
サイズ | 台・屏風付き : 間口40 × 奥行40 × 高さ63 cm 人形本体+唐櫃 : 間口30 × 奥行24 × 高さ53 cm |
本体仕様 | 正絹糸威 純金鍍金金物 鹿革吹返 鹿革胴 木製唐櫃 ※本体にプラスチックは使用しておりません |
屏風 | テクスチャーグレー屏風 |
飾台 | 木製黒塗平台 |
弓太刀 | ― |
お道具 | - |
付属品 | ■お手入れセット(毛バタキ・手袋・クロス) ■作者立札 |
注意事項 | ■手作りのためサイズや形状、色合いが各々多少異なります。 ■ご使用のモニターにより、実際の色と異なって見える場合がございます。 |
作者・工房について